火山の状況に関する解説情報(かざんのじょうきょうにかんするかいせつじょうほう)とは、日本において、火山の活動が活発化している際、定期的または臨時にその状況を周知するために気象庁が発表する情報。火山性地震や火山性微動の回数、噴火や噴煙などの活動状況を報告するとともに、必要な注意事項や警戒事項を説明するもの。
主に2つの目的があり、1つは、噴火警報を発表している段階(噴火警戒レベル2以上)でその補足として、住民などに広く注意・警戒事項を呼び掛けること、もう1つは、火山活動が活発化しているものの噴火警報には至らない段階(噴火警戒レベル1「活火山であることに留意」)で、火口付近を訪れる観光客や登山者などに注意・警戒事項を呼び掛けることである。
類似のものとして、同様の解説を図表を交えて行う「火山活動解説資料」がある。
効果と課題
「火山の状況に関する解説情報」は噴火警報とともに2007年に創設された。従前の「緊急火山情報」「臨時火山情報」では警戒事項が変わる度に何度も情報が出されることによるデメリットが指摘されていたが、噴火警報創設後、主要な警戒事項と警戒地域は噴火警報、細かい活動変化や警戒事項の修正は「火山の状況に関する解説情報」へと使い分けがなされ、それは軽減されたとされている。
2014年9月27日の御嶽山噴火では、水蒸気噴火の約2週間前から火山性地震が増加し、警報を担当する気象庁は噴火警戒レベルを2に引き上げ火口周辺警報を発表する検討は行ったものの、過去の活動と比較しても活動度が高くなかったことから、噴火警戒レベルは1「平常」(当時の呼称であり、2015年5月18日より「活火山であることに留意」に変更された)のままとし、活動の推移に応じて9月11日・9月12日・9月16日の延べ3回「火山の状況に関する解説情報」を発表し、その後地震活動が低調に推移したことから続報は出されていない。これらは地元自治体である長野県王滝村や岐阜県下呂市等にも伝えられた上で気象台から電話連絡が行われ、両自治体はさらに地元観光センターや温泉管理組合、山小屋に連絡を行うまでは行っていたが、これらが積極的に登山者らに伝えられるには至らなかったことが課題として挙げられた。これに対し、噴火警戒レベルを早期に引き上げるべきか否かという検討も行われる一方、気象庁は「火山登山者向けの情報提供ページ」を設けたほか、同年10月9日に蔵王山に「火山の状況に関する解説情報」を発表した際に観光客や登山者への注意を付記するなど追加の対応を行った。
また、2015年5月18日から、臨時の発表の場合はリスクの高まりが伝わるよう、「臨時」であることを分かりやすく発表することとなった。
発表文の例と注意・警戒事項
噴火警報非発表(活火山であることに留意)時
例は2015年5月18日以前のものであるため、「活火山であることに留意」は「平常」となっている。
例1
例2
噴火警報発表時
脚注
関連項目
- 噴火警報、噴火警戒レベル、降灰予報、火山ガス予報
- 噴火
- 火山
外部リンク
- 気象庁
- 火山に関する情報の発表状況
- 火山の状況に関する解説情報の説明
- 気象庁が発表する火山に関する情報や資料の解説




