フレンチデピュティ(French Deputy、1992年1月30日 - 2025年1月6日)はアメリカ合衆国の競走馬・種牡馬。1995年のジェロームハンデキャップの勝ち馬である。
戦績
- 特記事項なき場合、本節の出典はEQUIBASE、競走馬のふるさと案内所
1994年1月20日、ハリウッドパーク競馬場のメイドン競走でデビューし、2着に5馬身差をつけて勝利。続くサンタアニタ競馬場でのアローワンス競走を2戦走って2戦目は2馬身4分の3差で、3戦目は11馬身差で勝ってトータルで3連勝とし、重賞初出走となるベルモントパーク競馬場のジェロームハンデキャップではミスターグリーリーを4馬身差退けて、4連勝でG2競走を制覇した。その後もベルモントパークに残ってアローワンス競走で2着ののちブリーダーズカップ・クラシックに出走もシガーの9着に終わり、この競走を最後に引退した。
競走成績
以下の内容は、EQUIBASEの情報および記載法に基づく。
種牡馬時代
引退後はスリーチムニーズファームで種牡馬入り。その後、2001年に社台グループが価格非公表で購入し、日本に移動した。日本輸入前のおもな産駒には、2002年のエクリプス賞の最優秀古牡・セン馬に選ばれたレフトバンクの他、日本で競走馬となったノボジャック、クロフネなどがいる。
日本での初年度の種付料は350万円に設定されたが、3年目2003年には800万円に上昇。2004年に日本での産駒がデビューし、1994年のサンデーサイレンスに次ぐ2位の成績を打ち立ててJRAファーストシーズンチャンピオンサイアーに輝いた。日本産の産駒からは、2006年にフレンドシップが交流G1初制覇、2007年にピンクカメオがNHKマイルカップで中央のG1級競走を制した。続く2008年にはレジネッタで初のクラシック競走を、アドマイヤジュピタが天皇賞(春)を、エイシンデピュティが宝塚記念を制する一方、アドマイヤジュピタの天皇賞(春)制覇とサンアディユによる2007年アイビスサマーダッシュ制覇を踏まえて、産駒の距離適性が幅広いことも実証してみせた。以降も産駒、ブルードメアサイアーの双方で活躍馬を送り出している。また、2003年にはオーストラリアへのシャトル種牡馬としても供用された。
2017年の種付けを最後に種牡馬を引退、社台スタリオンステーションの功労馬馬房で余生を過ごし、2025年1月6日に死亡した。33歳没。代表産駒であったクロフネとは、2021年1月17日に先立たれるまで隣同士の馬房であったという。
主な産駒
GI/JpnI競走優勝馬
太字はGI/JpnI競走。日本調教馬以外はG1競走のみ記載。
- 1997年産
- Left Bank(ホイットニーハンデキャップ、シガーマイルハンデキャップ、ヴォスバーグステークス)
- ノボジャック(JBCスプリント、東京盃、黒船賞 2回、群馬記念 2回、北海道スプリントカップ、クラスターカップ)
- 1998年産
- クロフネ(ジャパンカップダート、NHKマイルカップ、武蔵野ステークス、毎日杯)
- 1999年産
- Mayo on the Side(ヒューマナディスタフハンデキャップ)
- Genereux(5月25日大賞)
- 2000年度産
- House Party(プライオレスステークス)
- 2002年産
- エイシンデピュティ(宝塚記念、金鯱賞、京都金杯、エプソムカップ)
- 2003年産
- アドマイヤジュピタ(天皇賞・春、阪神大賞典、アルゼンチン共和国杯)
- フレンドシップ(ジャパンダートダービー)
- 2004年産
- ピンクカメオ(NHKマイルカップ)
- 2005年産
- レジネッタ(桜花賞、福島牝馬ステークス)
- 2010年産
- サウンドトゥルー(チャンピオンズカップ、東京大賞典、JBCクラシック、日本テレビ盃、金盃2回、東京記念)
グレード制重賞優勝馬
日本調教馬のみ記載
- 2002年産
- サンアディユ(セントウルステークス、京阪杯、アイビスサマーダッシュ)
- ライラプス(クイーンカップ)
- ブライトトゥモロー(新潟大賞典)
- アンブロワーズ(函館2歳ステークス)
- 2003年産
- サイレントプライド(ダービー卿チャレンジトロフィー、富士ステークス)
- アルーリングボイス(小倉2歳ステークス、ファンタジーステークス)
- 2005年産
- メイショウベルーガ(京都大賞典、日経新春杯)
- 2010年産
- ノボリディアーナ(府中牝馬ステークス)
- 2011年産
- カラダレジェンド(京王杯2歳ステークス)
- 2012年産
- ルールソヴァール(佐賀記念、旭岳賞2回)
地方重賞優勝馬
- 2003年産
- ファストシャラポワ (秋桜賞)
- 2004年産
- アドマイヤダンク (吉野ヶ里記念)
- 2005年産
- エイシンフレンチ (東海菊花賞、東海ゴールドカップ)
- 2007年産
- メイショウツチヤマ (黒潮マイルチャンピオンシップ、だるま夕日賞、二十四万石賞、トレノ賞)
- 2008年産
- トミケンヒーロー (赤レンガ記念)
- 2010年産
- ハカタドンタク (やまびこ賞、はまなす賞、オパールカップ)
- 2012年産
- ロールボヌール (岩手ダービー ダイヤモンドカップ、若駒賞、南部駒賞)
- ルージュロワイヤル (ヒダカソウカップ)
- 2013年産
- リンダリンダ(東京プリンセス賞、サッポロクラシックカップ、イノセントカップ)
- ハタノリヴィール(ウインター争覇、マーチカップ)
母父としての主な産駒
太字はGI/JpnI競走。日本調教馬以外はG1優勝馬のみ記載。
グレード制重賞優勝馬
- 2004年産
- スズカコーズウェイ(京王杯スプリングカップ)
- 2006年産
- ブレイクランアウト(共同通信杯)
- 2007年産
- アニメイトバイオ(ローズステークス)
- ビッグバン(北海道2歳優駿)
- 2008年産
- Majestic Harbor(ゴールドカップアットサンタアニタステークス)
- Hinz(ドスミルギニー)
- ボレアス(レパードステークス)
- 2010年産
- マイネルホウオウ(NHKマイルカップ)
- カミノタサハラ(弥生賞)
- ウリウリ(京都牝馬ステークス、CBC賞)
- 2011年産
- ショウナンパンドラ(秋華賞、ジャパンカップ、オールカマー)
- Danza(アーカンソーダービー)
- 2012年産
- Hi Happy(ジョッキークラブ大賞、ナシオナル大賞、カルロスペレグリーニ大賞、マンノウォーステークス)
- ミュゼスルタン(新潟2歳ステークス)
- ノボバカラ(プロキオンステークス、カペラステークス、かきつばた記念、さきたま杯)
- マイティティー(ブリーダーズゴールドカップ)
- 2013年産
- マカヒキ(東京優駿、弥生賞、ニエル賞、京都大賞典)
- ゴールドドリーム(フェブラリーステークス、チャンピオンズカップ、かしわ記念 2回、帝王賞、ユニコーンステークス)
- レインボーライン (天皇賞(春)、阪神大賞典、アーリントンカップ)
- アドマイヤエイカン (札幌2歳ステークス)
- 2014年産
- カデナ(弥生賞、京都2歳ステークス、小倉大賞典)
- アンジュデジール(スパーキングレディーカップ、エンプレス杯、マリーンカップ、JBCレディスクラシック)
- 2015年産
- Mirth(ロデオドライブステークス)
- 2016年産
- メイショウテンゲン(弥生賞)
- マルシュロレーヌ(レディスプレリュード、TCK女王盃、エンプレス杯、ブリーダーズゴールドカップ、ブリーダーズカップ・ディスタフ)
- レッドルゼル(根岸ステークス、JBCスプリント、東京盃)
- カラテ(東京新聞杯、新潟記念、新潟大賞典)
- 2017年産
- メイショウミモザ(阪神牝馬ステークス)
- 2018年産
- ヨーホーレイク(日経新春杯、鳴尾記念、京都記念)
- バーデンヴァイラー(マーキュリーカップ、佐賀記念)
- 2019年産
- Attrition(トゥーラックハンデキャップ)
- ドロップオブライト(CBC賞)
- 2021年産
- メイショウタバル(毎日杯、神戸新聞杯)
地方重賞優勝馬
- 2007年産
- スーブルソー(桐花賞)
- 2008年産
- アティロン(唐津湾賞、嘉瀬川賞)
- 2009年産
- タッチデュール(ジュニアクラウン、プリンセス特別、兵庫クイーンカップ、くろゆり賞)
- 2010年産
- マインダンサー(金の鞍賞)
- メイライト(福山プリンセスカップ)
- 2011年産
- ゴオリイ(知床賞)
- 2012年産
- オヤコダカ(ブリーダーズゴールドジュニアカップ、北斗盃、王冠賞、赤レンガ記念2回、星雲賞2回、旭岳賞2回、瑞穂賞、コスモバルク記念)
- ランデックアロマ(ハヤテスプリント)
- 2013年
- ヤマノカミ(金沢ヤングチャンピオン)
- チャイヨー(ウイナーカップ)
- プレシャスエース(栗駒賞、岩鷲賞)
- 2014年産
- オーブスプリング(フローラルカップ)
- タッチスプリント(若草賞)
- ティモシーブルー(百万石賞、中日杯、金沢スプリングカップ)
- アスタークライ(新春盃)
- 2015年産
- モジアナフレイバー(勝島王冠2回、大井記念、川崎マイラーズ)
- チェゴ(ラブミーチャン記念、ライデンリーダー記念)
- 2016年産
- グランデストラーダ(秋桜賞)
- スタンサンセイ(ウインター争覇)
- 2017年産
- スティローザ(園田プリンセスカップ)
- ピアノマン(やまびこ賞)
- テイエムラッシュ(霧島賞)
- 2018年産
- ツムタイザン(兵庫若駒賞、園田ジュニアカップ、摂津盃、マーチカップ)
- 2019年産
- シルトプレ(鎌倉記念、北斗盃、北海優駿、コスモバルク記念、道営記念、中島記念)
- バウチェイサー(ゴールドジュニア、兵庫ユースカップ、兵庫ダービー)
- タニノタビト(駿蹄賞、東海ダービー、岐阜金賞)
- クリノメガミエース(ぎふ清流カップ)
- エコロクラージュ(園田オータムトロフィー、楠賞、兵庫ゴールドカップ)
- 2021年産
- カプセル(2023年平和賞)
血統表
出典
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post
- フレンチデピュティ(USA) - 競走馬のふるさと案内所

