第40回ベルリン国際映画祭は1990年2月9日から20日まで開催された。

概要

1990年のベルリン国際映画祭は、1989年11月のベルリンの壁崩壊を受けて、これまで分かれていたベルリンの両側で初めて開催された。

コンペティション部門には23本の長編映画と16本の短編映画が出品され、社会主義体制下のチェコスロヴァキアを描いた『つながれたヒバリ』と、ギリシャ人監督のコスタ=ガヴラスがアメリカに渡り監督したサスペンス『ミュージックボックス』の2本が金熊賞を受賞した。

また、パノラマ部門では多くのアルメニア映画・ソ連映画が上映された。

受賞

  • 金熊賞:『つながれたヒバリ』(イジー・メンツェル)、『ミュージックボックス』 (コスタ=ガヴラス)
  • 銀熊賞
    • 審査員特別賞:『Asteniceskij sindrom』 (キラ・ムラートワ)
    • 監督賞:ミヒャエル・セントフレーベン (『ナスティ・ガール』)
    • 男優賞:イアン・グレン (『Silent Scream』)
    • 共演賞:ジェシカ・タンディ、モーガン・フリーマン (『ドライビング Miss デイジー』)
    • 芸術貢献賞:『Coming Out』(Heiner Carow)
    • 個人貢献賞:シェ・フェイ(『黒い雪の年』)

上映作品

コンペティション部門

長編映画のみ記載。アルファベット順。邦題がついていない場合は原題の下に英題。


  • 短編映画の中で、後に『コーヒー&シガレッツ』として公開されるジム・ジャームッシュ監督の一編”Coffee And Cigarettes (Memphis Version) “が出品された。

コンペティション外

  • ウディ・アレンの 重罪と軽罪 – ウディ・アレン (アメリカ)
  • テラコッタ・ウォリア 秦俑 – チン・シウトン (香港)
  • 天国への300マイル – マーチェイ・ディチェル (ポーランド・デンマーク)
  • 春のソナタ – エリック・ロメール (フランス)
  • マグノリアの花たち – ハーバート・ロス (アメリカ)
  • もうひとつのラブストーリー – カレル・ライス (イギリス・アメリカ)
  • Resan till Melonia – Per Ahlin (スウェーデン)
  • Spur der Steine – フランク・バイヤー (西ドイツ)

日本映画

フォーラム部門で大島渚の『儀式』、高嶺剛の『ウンタマギルー』、利重剛の『ザジ ZAZIE』が、レトロスペクティブ部門では黒木和雄の『TOMORROW 明日』、市川崑の『ビルマの竪琴』、清水宏の『蜂の巣の子供たち』、衣笠貞之助の『地獄門』、岡本喜八の『日本のいちばん長い日』がそれぞれ上映された。

審査員

  • ミヒャエル・バルハウス (ドイツ/撮影監督)
  • Vadim Abdraschitov (ソ連/監督)
  • スザナ・アマラウ (ブラジル/監督)
  • Lívia Gyarmathy (ハンガリー/監督)
  • ヘルケ・ミッセルヴィッツ (ドイツ/監督)
  • スティーヴン・バック (アメリカ/プロデューサー)
  • マルガレート・メネゴス (フランス/プロデューサー)
  • ロベルト・ベニーニ (イタリア/監督・俳優)
  • オットー・ザンダー (ドイツ/俳優)
  • リタ・トゥシンハム (イギリス/女優)
  • スティーヴン・シルバーマン (アメリカ/)

外部リンク

  • 公式サイト (ドイツ語・英語)

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